関係詞の省略を完全攻略!主格の例外と長文読解で見抜く極意
英語の長文を読んでいる最中、突如として文構造を見失い、立ち止まってしまった経験はないでしょうか。その原因の多くは、文中でひっそりと姿を消した「関係詞の省略」にあります。高校英語の文法書では「目的格は省略可能、主格は省略不可」と簡潔にまとめられがちですが、実際の入試長文や英文ニュースの現場では、その単純な公式だけでは処理しきれない例外や落とし穴が無数に存在します。
関係代名詞や関係副詞がなぜ特定の条件下で省略されるのか、そしてどのようなケースで主格の省略という例外が発生するのか。その言語学的ロジックと実践的な見分け方を体系化することで、英文読解のスピードと正確性は劇的に向上します。長文読解の停滞を打破する決定的な判別ルールを徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:目的格の関係代名詞や一部の関係副詞は「名詞+名詞+動詞」の構造(接触節)を作るため省略可能だが、主格の省略は原則として文構造の破綻を招くため禁止される。
- 要点2:「there is構文」や「主格+be動詞の同時脱落」など、例外的に主格関係代名詞が姿を消すパターンが存在し、難関大入試でも頻出の識別ポイントとなっている。
- 要点3:接続詞・同格・関係詞の「that省略の見極め」と前置詞の位置関係を整理することで、長文読解時の返り読みを完全に防ぐことができる。
なぜ主格はダメで目的格は消えるのか?関係詞省略の根本原理
多くの学習者が抱く「なぜ主格の関係代名詞は省略できず、目的格の関係代名詞の省略ばかりが多用されるのか」という疑問。この答えは、英語という言語が持つ「語順シグナルへの依存度の高さ」にあります。日本語のように助詞(「てにをは」)を持たない英語では、語順そのものが主語や動詞の役割を決定づける命綱となります。
主格の関係代名詞(who, which, that)を仮に省略してしまうと、先行詞である名詞の直後にいきなり関係詞節の「動詞(V)」が衝突します。読み手から見れば、その先行詞が文全体の主語なのか、それとも修飾節内の動詞に対する主語なのかが瞬時に判別できず、認知的な処理負荷が致命的に増大してしまいます。文構造の明瞭さを維持するために、主格マーカーとしての関係詞は省略してはならないという鉄則が成立しました。
一方で、目的格の省略が行われると、英文上には「名詞 + [名詞 + 動詞](名詞+S'V')」という特有の連続配置(接触節)が生まれます。英語の語順ルール上、名詞が2つ連続して並び、直後に動詞が続く構造は極めて不自然であるため、ネイティブスピーカーや訓練された読者は「ここに目的格の関係詞が省略され、後ろの節が直前の名詞を修飾している」と即座に脳内補正できる仕組みになっています。

【関係詞省略 パターン一覧】代名詞・副詞・前置詞の可否を全整理
関係詞の省略可否は、関係代名詞・関係副詞の種類や、前置詞との結合状態によって厳格に分かれます。高校英語 関係詞ルールの枠組みを超え、実戦的な読解で必要となる一覧表で整理します。
| 省略パターン | 省略の可否・構造条件 | 典型例文・構文 | 長文読解での着眼点 |
|---|---|---|---|
| 目的格の関係代名詞 | 常時省略可能 (接触節を形成) | The book [ (which) I bought ] was great. | 「名詞+S'V'」の並びを見たら直前の名詞への修飾を確定させる。 |
| 主格の関係代名詞 | 原則不可 (例外条件でのみ省略) | The man [ who lives next door ] is kind. | 直後にVが続くため、単体での脱落は文構造の破綻を招く。 |
| 関係副詞(when / why / how) | 先行詞か副詞の片方を省略可 | That is the reason [ (why) he left ]. | the time whenやthe reason whyはどちらか一方のみを残すのが自然。 |
| 関係副詞(where) | 限定的省略 (placeなどの一般名詞のみ) | This is the place [ (where) we met ]. | 具体的場所名(the station等)では省略されずwhereが残る。 |
| 前置詞+関係代名詞 | 前置詞直後は省略不可 (文末移動時のみ省略可) | The house [ (which) he lived in ]. (× in (which) he lived) | 前置詞+関係代名詞の省略ルール違反に注意。前置詞の後ろは脱落不可。 |
「主格は絶対に省略できない」の嘘|知っておくべき3大例外パターン
文法指導の現場で「主格の関係代名詞は省略できない」と断言されるケースが目立ちますが、これは厳密には不完全な説明です。英語の歴史的変遷や口語表現、特定の統語構造において、主格の関係代名詞 省略例外が頻繁に出現します。
第一の例外が「there is構文の主格省略」です。存在を表す「There is / There are」に続く名詞の直後では、主格の関係代名詞(whoやthat)が極めて自然に脱落します。
【実例】:There is a student (who) wants to join the project.
この構文では、冒頭の「There is」によって新情報の名詞が提示されることがあらかじめ予告されているため、関係代名詞が欠落しても聞き手・読み手が混乱しないという認知的背景があります。
第二の例外は「主格関係代名詞 + be動詞」の同時省略です。関係代名詞単独ではなく、後ろに続くbe動詞をセットで取り除く現象で、これが実質的な「分詞の後置修飾」や「形容詞句による修飾」を生み出します。
【実例】:The girl [ (who is) playing the piano ] is my sister.
長文読解において「名詞 + -ing / 過去分詞」を見かけた際、背後に「主格+be動詞の省略」が存在していることを見抜けるかどうかが、複雑な修飾関係を紐解く鍵となります。
第三の例外は「It is 〜 that...(強調構文)」および「挿入節を伴う構文」です。会話体やくだけた現代英語の論評文では、It is... に続くthatが主格であっても省略される実例が散見されます。さらに「the man who I think is honest」のような二重限定・連鎖関係詞節において、主格相当の関係詞が口語的に省かれるケースも報告されています。

【実態検証】大学受験 英語長文読解でスコアが伸び悩む受験生の盲点
予備校や難関大学入試の答案分析データによると、偏差値60前後の受験生が共通テストや記述試験で失点する最大の要因の1つに、「接触節の見分け方」の拙さが挙げられます。英文が長文化・複雑化するほど、修飾節の切れ目を見落とし、主文の動詞(本動詞)を取り違えるエラーが多発します。
特に読解速度を著しく低下させるのが、that省略の見極めです。英語の「that」には関係代名詞だけでなく、名詞節を導く接続詞、同格のthatが存在します。これらがすべて省略されうる環境において、どこで文が区切られているかを瞬時に判断できない学習者は、1文を何度も往復する「返り読み」に陥ります。
実戦的な関係詞節の判別方法として最も有効なアプローチは、「動詞の総数カウント」と「名詞の連続検知」です。英文内に接続詞や関係詞の明示がないにもかかわらず、述語動詞が2つ存在する場合、どこかに必ず関係詞か接続詞の省略が存在します。「名詞+[名詞+動詞]」というシークエンスを発見した瞬間にカッコで括り、直前の名詞にかかる修飾節として処理する反射神経の構築が不可欠です。
一般に知られていない盲点とネットの誤解|前置詞+関係代名詞の罠
ネット上の簡易解説やQ&Aサイトで頻繁に見受けられる誤解が、「目的格の関係代名詞ならどのような状況でも省略できる」という盲信です。ここに受験生や実務翻訳者が引っかかりやすい重大な文法トラップが存在します。
決定的なルールとして、「前置詞の直後にある目的格の関係代名詞は絶対に省略できない」という原則があります。「The topic about which we talked」という文において、about whichのwhichを単独で消去して「*The topic about we talked」とすることは英語の統語規則上、重大な誤りです。
もし関係代名詞を省略したい場合は、前置詞を文末に移動(残置)させなければなりません。「The topic (which) we talked about」という語順にして初めて、目的格関係代名詞の省略が成立します。前置詞の移動と関係詞の脱落は表裏一体の関係にあるという構造理解が欠かせません。
【プロの結論】認知言語学から見出す「接触節」の即座判別ロジック
英文読解のプロフェッショナルや同時通訳者は、関係詞の省略を文法公式としてではなく、「認知のフォーカス移動」として処理しています。読み手の視線が流れる中で、先行詞となる名詞に続いて唐突に別の主語・動詞が現れた瞬間、脳内では「その名詞の詳細説明が始まる」という予測モデルが自動生成されます。
この感覚を養うための判断基準は明確です。文頭から読み進め、「名詞(A)+ 名詞(B)+ 他動詞(または前置詞で終わる自動詞)」の並びを視界に捉えたら、B+動詞はAを限定する接触節であると即断してください。文法用語の暗記にとどまらず、語順がもたらす情報提示のリズムを身体化することこそが、長文読解を劇的に加速させる究極の近道となります。

【関係詞の省略】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:関係副詞の where や when は、いつでも自由に省略できますか?
A1:関係副詞の省略は先行詞の種類に左右されます。whenはthe timeやthe dayなどの一般的な時を表す先行詞があれば高頻度で省略されますが、whereはthe placeのような極めて一般的・抽象的な名詞以外(the university, the hospitalなど具体的な場所)では省略されず残るのが通例です。また、先行詞の方を省略してwhere節を名詞節のように機能させる構文も多用されます。
Q2:接続詞の that の省略と、目的格関係代名詞の that の省略はどう見分ければよいですか?
A2:直前の品詞と、後ろに続く節の「完全・不完全」で瞬時に判別できます。接続詞のthatはthink, know, sayなどの「動詞の後ろ」に置かれ、後ろには文型が揃った「完全な文」が続きます。一方、関係代名詞のthatは「名詞の後ろ」に置かれ、後ろの節は主語や目的語が欠落した「不完全な文」になります。
Q3:関係代名詞の whose(所有格)は省略できるケースがありますか?
A3:所有格の関係代名詞 whose は、いかなる場合も省略することはできません。whoseは後ろの名詞と強固に結びついて所有関係を示しているため、これを消去すると修飾関係が完全に崩壊してしまうためです。
まとめ:関係詞の省略を見抜く構造把握力が英語力を飛躍させる
関係詞の省略は、英語が情報を効率的かつスピーディーに伝達するために獲得した合理的な言語システムです。「主格は原則不可、目的格は接触節として省略可能」という基礎を基盤としつつ、there is構文などの主格例外や前置詞の配置ルールまで網羅的に把握することで、英文の骨格は驚くほどクリアに見通せるようになります。
単語や熟語を覚えているのに長文読解でスピードが出ない、あるいは構文を見失いがちであるなら、それは関係詞の省略ポイントで視線が足踏みしているシグナルです。今回整理した判別ロジックを実戦の長文演習で意識的に運用し、返り読みのない直読直解の英語力を確立させてください。 (出典: 関係 詞 省略(Yahoo!ニュース))